導入事例
低価格志向と消費不振がつづく現在。
日常の利益や在庫の管理を強化して販売上の問題点を明らかにすると同時に、事務処理の合理化を進めて営業員を本来の任務である営業拡大に専念させることが急がれています。
そのカギを握るのが、販売管理システム。
青果仲卸用販売管理システム「いちばクラウド青果問屋」は、青果仲卸に必須の機能を備えているだけでなく、業界の特性を知り尽くした当社スタッフによる提案とサポートが、お客さまから高い評価をいただいています。
ここでは、当社の販売管理システムを導入して業績をアップさせた青果仲卸さまの導入事例をご紹介します。
(記事中の事項は取材時のものです)
※「Mr. 青果問屋」は、2010年にクラウド版「いちばクラウド青果問屋」にアップグレードしています。
築地市場・大安(だいやす)

厳しいことも伝えるが、それを真摯に受け止め、
性能向上につなげてくれることに感謝している。


東京・築地市場にある大安(だいやす)は、経営規模としては標準的な仲卸。しかし顧客の大半が量販店のため、価格面では相当に厳しい取引となります。利益管理は死活問題であり、赤字となる取引はしっかり選別しなければなりません。このような状況のなか、同社ではどのように「青果問屋」を活用し、業務改善につなげていかれたのか、大澤哲雄社長にお話をうかがいました。

各種帳簿の作成は、オフコンでは煩雑な作業。
これを何とかできないか!?


大安では「青果問屋」導入以前には他社製のオフコンで売上・利益管理、在庫管理、伝票発行などを行うほか、仕入れ単価もロットごとに仕入日の仕入れ単価を正確に記入していました。
このことについて大澤社長は、「手間がかかるからといって、仕入価格をその週や月の平均で代用するなど、当社では考えられません。在庫も毎日管理し、毎日、決算していたようなものです」と説明されます。
ただしオフコンでは、各種の帳簿を作成する際に、いちいちエクセルに落とし込んでから加工しなければなりませんでした。これは細かく利益を管理したい同社にとっては煩雑な作業。大澤社長は、「同じシステムの中でできないか」と感じていたと言われます。

「東新は、当社が要望するカスタマイズはもちろん、
仲卸全体に共通する要望を研究してくれる会社」と直観。


このようななか、ちょうどオフコンのリース更新を迎える2000年に大澤社長は東新システムの展示会に参加。品目分類に関する考えが異なるなどの課題はあったものの、「当社が要望するカスタマイズはもちろん、仲卸全体に共通する要望を聞き入れて研究してくれる会社だ」と直観され、早速、前バージョンの「Mr.青果問屋」を導入。これに対し、弊社では、相場案内をシステム上で作成する受注システムを開発。その結果、大安では量販店に対する受注業務を大きく改善することができました。
さらに2015年には「いちばクラウド青果問屋」にアップグレード。弊社では、大澤社長からのご提案で「積送在庫システム」という機能を開発しました。


「積送在庫システム」開発で、数合わせが確実になり
事務処理の負荷も大きく軽減。


「積送在庫システム」とは、本日出荷するが、店着日などの都合で売上計上が翌日以降になる商品に、売上計上予定日と予定価格をあらかじめ設定するもの。これにより、売上計上日までの間、出荷済みの商品が自動的に「積送在庫」として計上されるため、数合わせが確実になると共に、事務処理の負荷が大きく軽減されます。
このような弊社の開発に対して大澤社長からは「失礼ながら東新さんには厳しいこともどんどん伝えています。しかしそれを真摯に受け止めてくれ、性能向上につなげてくれていることには感謝しています」との評価をいただきました。
なお、大安では同社の実情に合わせて、営業員が自分で仕入・販売データを入力するのではなく、専属担当者が入力しています。しかも営業員には情報を口頭で伝えるのではなく、必ず伝票や帳面に書かせています。
「価格や数量を書かせることで本人の確認にもつながる。また入力は専属担当者の方が正確」と大澤社長はその理由を説明されますが、ここにもキメ細やかな管理を旨とする同社ならではの社風がうかがわれます。
※農経新聞 2016年2月15日掲載